2009年12月 9日

結び目理論

たとえば日常で、靴の紐などを蝶結びするとき、ちょっとした違いで縦結びになったり横結びになったりすることはよく知られていることである。このようなとき、結び目理論では、紐の両端をつないで輪の形にすることで、これらの結び目が図形としてどのように異なるか(あるいは同じものなのか)ということを数学的に明らかにすることができる。

一般に、二つの結び目(あるいは絡み目)が同じであるかどうかは、ライデマイスター移動などの局所変形や交差の入れ替えなどの結び目解消操作を用いて調べられる。

結び目や絡み目の分類は、結び目不変量 (knot-invariant) あるいは絡み目不変量 (link-invariant) と呼ばれる "量" の発見と構成を主として行われる。例えば、絡み目の外部の基本群を周辺構造 (peripheral structure) 込みで考えたものは、結び目の完全不変量である。しかし、肝心の群の分類が容易ではないためこれを不変量として用いることはほとんどないようである。主に使われる不変量はアレクサンダー多項式などの多項式不変量や、結び目解消数 (unknotting number) などである。

なお、Haken による正則曲面 (normal surface) の理論により、任意に与えられた 2 個の結び目が同値であるか否かを判定するアルゴリズムが存在することが知られている。

近年では DNA やタンパク質の異性体の構造などの研究や統計力学・量子場論にも関連して注目されている。

結び目は3次元多様体の形状を調べることにも利用できる。同様のことを次元を上げて一般化して考えようとすると、4次元空間では一次元の閉多様体である結び目はほどけてしまって役に立たないが、二次元の多様体である閉曲面を使ってやれば目的を果たすことができる。これを4次元結び目理論、曲面結び目理論などと呼んで結び目理論に含めることもある。

一次元球面(単位円周) S1 から三次元ユークリッド空間 R3 または三次元球面 S3への単射連続写像 K あるいは K の像のことを結び目(むすびめ、knot)という。ここで、三次元球面 S3 とは R3 に、一点 {∞} を付け加えたコンパクト等質空間である。

要するに、三次元空間の中に浮かぶ絡まった 1 つの輪っかのことを数学では結び目というのである。日常語の意味での結び目とはかけ離れているように思われるが、紐の両端をくっつけて結び目を緩めた状態を想像してみると、なぜ上で言うようなものが数学で結び目と呼ばれるのか、実感できることと思われる。

結び目は絡まった輪っか一つだけである。二つ以上の結び目が互いに絡まりあったものを考えたほうがいろいろと便利であることが多いので、それを絡み目(からみめ、link)と呼ぶ。正確には結び目と同様に次のように定義される。

いくつかの一次元球面の集合としての直和 S1 ∪ S1 ∪ ... ∪ S1 から 三次元球面 S3 への単射連続写像 L あるいはその像のことを絡み目と呼ぶ。絡み目の連結成分の数を単に絡み目の成分数と呼ぶ。すなわち n 個の S1 の直和を埋め込んだ絡み目の成分数は n である。

有名な絡み目としてはホップ絡み目、ホワイトヘッド絡み目、ボロミアン環などが挙げられる。


『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
結び目理論とは紐の結び目を数学的に表現し研究する学問です。

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